Page 1615 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】『あたしのクオレ』 hanemi 17/2/25(土) 15:31 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】『あたしのクオレ』 ■名前 : hanemi ■日付 : 17/2/25(土) 15:31 -------------------------------------------------------------------------
イタリアを代表する児童文学作家のひとりで、アンデルセン賞作家賞候補になったことのあるビアンカ・ピッツォルノの代表作が、ようやく邦訳出版されました。 『あたしのクオレ』(上・下) ビアンカ・ピッツォルノ作/関口英子訳 岩波書店 2017.02 定価720円+税 301ページ ISBN 978-4001142372(上) 定価760円+税 350ページ ISBN 978-4001142389(下) "Ascolta il mio cuore" di Bianca Pitzorno Arnoldo Mondadori Editore, 1991 第二次大戦の傷がまだ残るサルデーニャ島の小さな町が舞台。プリスカ、エリザ、ロザルバの仲よし3人組は4年生になったばかり。クラスは〈ごきげんとり・猫かぶりグループ〉と〈わんぱくグループ〉と〈うさぎグループ〉に分かれていて、3人とも〈わんぱくグループ〉。新しく担任になったスフォルツァ先生は〈ごきげんとり・猫かぶりグループ〉ばかりをひいきする。親が地元の名士や金持ちばかりだからだ。その一方で極貧家庭の留年生2人に対する態度は必要以上に厳しく、何とかして自分のクラスから追い出そうとする。理不尽さに憤ったプリスカたちは、何とかしてスフォルツァ先生をこらしめてやろうと試みるが……。 70年近く前の異国の話なのに、ひどい担任、クラスメート間格差(スクールカースト?)、中学進学をめぐるあれこれなど、子どもたちをめぐる環境は不思議と現代の日本に通じることが少なくない。 全体の構成はエドモンド・デ・アミーチスの『クオレ』を真似ているので(パロディともいえる)、ぜひ『クオレ』と合わせて読んでほしい(岩波少年文庫の『クオレ―愛の学校(上・下)』は品切れ・再版未定のようですが)。 ※メルマガ「2012年国際アンデルセン賞の候補者たち」記事内に未訳レビューを書いています。 ttp://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2011/11.htm#kikaku hanemi(WYN-0036) |