過去ログ

                                Page     132
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   通常モードに戻る  ┃  INDEX  ┃  ≪前へ  │  次へ≫   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ▼第26回(2023年)◆オールタイム&原書部門◆  やまねこ翻訳クラブ 23/11/25(土) 10:58

 ───────────────────────────────────────
 ■題名 : 第26回(2023年)◆オールタイム&原書部門◆
 ■名前 : やまねこ翻訳クラブ
 ■日付 : 23/11/25(土) 10:58
 -------------------------------------------------------------------------
   第26回(2023年)◆オールタイム&原書部門◆投票の様子です。

≪投票内容≫

ハンドル名(※(=^_^=)は、匿名希望の会員です。)

タイトル
その他の書誌情報
投票コメント

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ゆま(WYN-1032)    

「映画」をつくった人  世界初の女性映画監督アリス・ギイ/汐文社
マーラ・ロックリフ文、シモーナ・チラオロ絵、杉本詠美訳
正直言って、絵本を読むまでまったく知らない人物だったけれど、その生き方が作品名で紹介されていておもしろく、興味が持てた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なおじ(WYN-2355)    

目で見ることばで話をさせて
岩波書店
思い込みや、自分かわいさで、人を等しく見られないのは、私にも、誰にでも、起こること。この本は、人間のそんな弱さをきちんと見つめて戒めたいと思わされる本。

おおきな木
あすなろ書房
状況をきちんと見つめて、何ができるか冷静に判断し、無理はせずに等身大で生きていく、というメッセージに、とても胸を打たれる。それ以上に、名訳に脱帽。

悲しいけど、青空の日 〜親がこころの病気になった子どもたちへ〜
サウザンブックス社
届くべき子どものところに、ぜひとも届いてほしい、と思う本です。

Le secret de l'arbre creux
Bayard Jeunesse社
『悲しいけど、青空の日』同様、家の中でつらい思いをしている子どもに、届いたらいいのに、と思う本。

Bleu comme l'espoir
Editions Thierry Magnier 社
子どもの本とは言え、フランスらしい皮肉たっぷり、かつ現在の地球の状況に鑑みると非常に考えさせられる本。日本で多くの人に読まれるのは難しいとは思いつつ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

くるり(WYN-0005)    

かわいい子ランキング/ほるぷ出版
ブリジット・ヤング作/三辺律子訳
ルッキズム=悪という単純な話にとどまらない、広く深い問いかけのある本だった。主人公以外の登場人物の心のひだにも、細やかにていねいに触れているところがよかった。

イライラのあらし/金の星社
ルイーズ・グレッグ作/ジュリア・サルダ絵/吉井 知代子訳
「イライラ」が落ち葉のかたまりという目に見えるものになって描かれることで、読者(子どもに限らず大人も、いや大人こそ!)が自分の抱える問題と向き合う助けになるように思う。

From the Desk of Zoe Washington/HarperCollins Publishers/Janae Marks
冤罪と人種問題という重いテーマだが、パティシエをめざす挑戦や思春期の友だち関係と並行して取りあげることで、子どもにも読みやすい構成になっている。

Alice Eclair, Spy Extraordinaire!シリーズ/Nosy Crow Ltd/Sarah Todd Taylor
1930年代のパリを舞台に、13歳のパティシエの少女がひそかにスパイとして活動する、夢と冒険にあふれるお話。当時の国際情勢にも触れ、歴史や社会問題についても考えさせられる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(=^_^=)

ツバメ号とアマゾン号/岩波書店
アーサー・ランサム作 神宮輝夫訳 2010.7
イギリス湖水地方を舞台に子どもたちがヨットに乗って、無人島を探検し、海賊?に戦いを挑みます。子ども時代の夏の一コマをこれほど鮮やかに、そして快活に描いた作品を私はほかに知りません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Bobo(CYN-2217)

ホーキング博士のスペース・アドベンチャーシリーズ
ルーシ&スティーヴン・ホーキング著/さくまゆみこ訳/岩崎書店
宇宙への秘密の鍵(2008)
宇宙に秘められた謎(2009)
宇宙の誕生 ビッグバンへの旅(2011)

ペーパーボーイ
ヴィンス・ヴォーター著/原田勝訳/岩波書店/2016

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ちゃぴ(WYN-1026)    

5番レーン/鈴木出版
ウン・ソホル文/ノ・インギョン絵/すんみ訳/2022.06
韓国の作品で、日本とは違うところがあるものの、小学生の日常生活を通して描かれ、共感しやすい。

アップステージ シャイなわたしが舞台に立つまで/評論社
ダイアナ・ハーモン・アシャー作/武富博子訳/2022.09
学校で有名なミュージカルを演じる物語。ミュージカル・ナンバーは知らないのに、そのユーモラスで軽快な雰囲気が楽しめた。

ロンドン・アイの謎/東京創元社
シヴォーン・ダウド作/越前敏弥訳/2022.07
謎解きもおもしろいが、「脳が普通の人とは違う」テッドの独特な心の声が魅力。家族(とくに姉)の思いが胸にずんとくる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さいばし(CYN-2220)    

あのころはフリードリヒがいた
ハンス・ペーター・リヒター作、上田 真而子訳、岩波書店、1961年
ナチス政権下の生活とはどのようなもので、ユダヤ人の少年フリードリヒになにが起きていったのか。ドイツ人の少年の淡々とした語り口が克明に描きだします。日単位でしるされた巻末のナチス政権年表からも、民族迫害を正当化していく過程が浮かびあがってきます。

どんぐり喰い
エルス・ペルフロム作、野坂 悦子訳、福音館書店、2021年
著者の夫の子ども時代をもとに書かれた物語。どうくつを住居にしている主人公クロ一家の暮らしは過酷で、衝撃を覚えました。しかし、過酷であるからといって悲惨なのではない。歯を食いしばって生きる主人公に対し、安易な同情の入り込む余地はありませんでした。

くろは おうさま
メネナ・コティン作、ロサナ・ファリア絵、宇野 和美訳、サウザンブックス社、2019年
「色を感じる」絵本です。黒い紙に透明なインクのレリーフで絵が描かれています。読み手はその絵を手でなぞりながら、色のかたちや音、味、におい、感触にふれていきます。文章は点字と通常の印刷文が同ページに並置されています。美しい本です。

エイドリアンはぜったいウソをついている
マーシー・キャンベル作、 コリーナ・ルーケン絵、服部 雄一郎訳、岩波書店、2021年
「うちには馬がいる」というクラスメイト、エイドリアンの話は「ぜったいウソ」だと思っている主人公が、その真偽をつきとめようとするお話です。お話と絵のハーモニーが想像力をかき立てます。「ウソつき」のエイドリアンを抱きしめたくなりました。

ジェニーとキャットクラブ
エスター・アベリル作・絵、松岡 享子、 張替 惠子訳、福音館書店、1973年
いわずと知れた名作ですが、今年になって初めて読みました。ちいさな黒ネコジェニーがすこしずつ勇気をだして外の世界に踏みだしていく姿がたまらない。おしゃれな挿絵も大好きです。

I Talk Like a River
Jordan Scott, Sydney Smith, Walker Books Ltd, 2020
原書も原田勝さんの邦訳も、どちらもすばらしいです。原書をはじめに読んだので、こちらを載せました。見開きページを開いたときに押し寄せてきた感覚はずっと忘れないと思います。

I Want My Hat Back
Jon Klassen, Walker Books Ltd, 2012
一度読んだら忘れられない絵本になりました。説明不要で、とにかく読んでみて!とおすすめしたくなります。

Merci Suarez Changes Gears
Meg Medina, Candlewick, 2020
キューバ系アメリカ人の主人公Merciがすこしずつ変わっていく家族や友人との関係に戸惑う姿に、思春期手前のころの自分を重ねながら読みました。感情の描写が緻密で引き込まれます。キューバ系という家庭背景が物語に自然と織り込まれているのもよかった。

Pippi Longstocking
Astrid Lindgren, Puffin Books, 2005
子どものころに邦訳『長くつ下のピッピ』を読んでいたので、英訳版で読みなおしました。自由自在に生きるピッピに再会できてうれしくなりました。いつかスウェーデン語の原書も……と夢見ています。

Sea Horse: The Shyest Fish in the Sea
Chris Butterworth, John Lawrence, Candlewick, 2006
タツノオトシゴに「海いちばんの恥ずかしがり屋」という称号をあたえ、その生態を描いていくノンフィクション絵本。絵がすばらしく、ノンフィクションですが詩のような味わいがあります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

shoko(WYN-1042)    

『かわいい子ランキング』(ほるぷ出版)ブリジット・ヤング作 三辺律子訳
かわいいと言われたらうれしいというのは、性差もあるだろうし個人差もある。これまで思いこまされてきた、あるいは意識していなかった価値観を本当にそうだろうかと見直すきっかけになりそうな作品。

『変化球男子』(すずき出版) M.G. ヘネシー著  杉田七重訳
思っていた以上にガツンガツンとくる物語だった。父親と話し合うシーンの、朝起きて眠っている間にだれかに身体を交換されていたらどうする? 自分は最初からそうだというセリフに、とても納得した。

『ばあばにえがおをとどけてあげる』(評論社)コーリン・アーヴェリス文 イザベル・フォラス絵 まつかわまゆみ訳
ばあばが大すきなファーンが、笑わなくなったばあばのために、ワァーイ!を捕まえてきてあげようとするお話。クスクスとかキラキラとか言葉の選び方がいい。きれいな色使いのイラストもすてき。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

SUGO(WYN-0012)

The Beatryce Prophecy, Kate DiCamillo 2021
挿絵と文章の総合芸術のように感じました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

mikiron(WYN-1066)    

父さんのゾウ
ピーター・カーナバス作/美馬しょうこ訳
オリーブにしか見えない、灰色の動物たち。あらすじを知っていたのに、最後の場面では思わず涙が出た。おじいちゃんの存在にほんとうに救われる。おじいちゃんの「むらさき色のリュックの日」がどれも楽しくて、こんなワクワクを私は子どもに与えられているだろうか、とふと思った。いろんな「色」が随所に出てきて、幼い頃見ていた世界の彩りやキラキラした気持ちを思い出した。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

BUN(WYN-0003)    

You Are Here: Connecting Flights
 by Ellen Oh 他
 リンダ・スー・パークを含む10人以上のアジア系アメリカ人作家によるアンソロジー。天候不良でシカゴ空港に足止めされた人たちの人間模様。ひとつひとつの話がよくて引き込まれた。

Wished by Lissa Evans
 親の都合で、日中、近所のよく知らないおばあさんの家に預かられる兄妹というよくある始まりながら、偶然見つけたキャンドルがとんでもない魔法の力を秘めていて、わりとはちゃめちゃな冒険が展開します(笑)

Watercress by Andrea Wang文, Jason Chin絵
 コールデコット賞受賞作。道ばたでクレソンをつんで食する親が恥ずかしくて、友だちに見られたくないと思う中国系アメリカ人の子どもたち。でもある日母親が故国でのつらい話を語ってくれた。語ることで受けつがれていく記憶の物語。

The Oldest Student: How Mary Walker Learned to Read  
 by Rita Loraine Hubbard 文 Oge Mora 絵
 深南部のアラバマに生まれて、はげしい人種差別の時代を生きのび、116歳になってから読むことをおぼえた実在の黒人女性メアリー・ウォーカーの物語。オーゲ・モーラの絵が温かい。

シリアからきたバレリーナ
キャサリン・ブルートン作 尾崎愛子訳
偕成社 / 2022年1月26日発売
シリアでバレエ好きのふつうの少女として暮らしていたアーヤ。ある日戦争が迫ってきて逃げ出すしかなくなり、過酷な逃避行や家族との別れを経てイギリスへ。難民キャンプのつらさ、難民申請の理不尽さなどが一人称視点で伝わってくる。希望もあるけれど、サバイバーズ・ギルトも。

ぼくらのサブウェイ・ベイビー
ピーター・マキューリオ作/レオ・エスピノーサ絵/ 北丸雄二訳/サウザンブックス社
クラウドファンディングを経て出版された絵本。実話にもとづいた絵本。当時のニュースなどを参照しながら読むと、人の温かさや、行政の人たちの即断即決に感心します。

ラスト・チェリー・ブロッサム わたしのヒロシマ
キャサリン・バーキンショー作/吉井知代子訳/ほるぷ出版
日系アメリカ人の著者が、自分の母の記憶を聞き取って書いた物語。アメリカでは歴史の授業でもまともに扱われない原爆の話がこうしてこまやかにつづられたということに意味がある。

影との戦い ゲド戦記
アーシュラ・K.ル=グウィン/清水真砂子訳/岩波書店
30年ぶりぐらいの再読。あらためて名作だなと。自分の能力に絶対の自信を持ち、傲慢であったがゆえに影を呼びだしてしまったゲドが、敗北と真の恐怖を知ったことで成長していくところが好き。

わたしのかぞく みんなのかぞく
サラ・オレアリー文/ティン・レン絵/おおつかのりこ訳/あかね書房
やっと読めました。いろいろな家族のかたち。どんな形であっても、それぞれのしあわせがあるっていうことが、とても自然にえがかれていて、ほんとうにいい絵本だなと思った。子どもたちにもこのしなやかさが伝わりますように。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まなみ(WYN-1063)    

タフィー
岩波書店/サラ・クロッサン作

世界を7で数えたら
小学館/ホリー・ゴールドバーグ スローン作

ダリウスは今日も生きづらい
集英社/アディーブ・コラーム作

宇宙への秘密の鍵
岩崎書店/ルーシー・ホーキング作

きみのいた森で
評論社/ピート・ハウトマン作

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(=^_^=)

海とそらがであうばしょ/化学同人
テリー・ファン&エリック・ファン

DAVE Pigeonシリーズ
Swapna Haddow

魔女だったかもしれないわたし/PHP研究所
エル・マクニコル作

あおのじかん/岩波書店
イザベル・シムレール詩絵

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

からくっこ(WYN-1050)    

『かえでの葉っぱ』
文: デイジー・ムラースコヴァー 訳: 関沢 明子 絵: 出久根 育 出版社: 理論社

『わいわいきのこのおいわいかい きのこ解説つき ロシアのお話』
挿絵:タチヤーナ・マーヴリナ 文:レーマ・ペトルシャーンスカヤ 翻訳:まきのはら ようこ 出版社:カランダーシ出版

『最後のドラゴン』
著: ガレット・ワイヤー 絵: ケイティー・ハーネット 訳: 三辺 律子 出版社: あすなろ書房

『ガラガラヘビの味 アメリカ子ども詩集』
編訳: アーサー・ビナード、木坂 涼 出版社: 岩波書店(岩波少年文庫)

『かぜのひ』
作・絵: サム・アッシャー 訳: 吉上 恭太 出版社: 徳間書店

『クリスマスは12日つづく 恋人たちのマザーグース』
ドロテー ドゥンツェ(絵)、岸田 今日子 (翻訳) 太平社

『たったひとりの戦い』
ヴォージュラード,アナイス【作・絵】、平岡 敦【訳】徳間書店

『新訳 若草物語』
作 L・M・オルコット、訳 ないとう ふみこ 角川つばさ文庫 

『ちいさなタグボートのバラード』
ヨシフ・ブロツキー【詩】 イーゴリ・オレイニコフ【絵】 沼野恭子【訳】 東京外国語大学出版会

『光の旅 かげの旅』
アン・ジョナス 作・絵 / 内海まお 訳 評論社

(以上、順不同)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

みちこ(WYN-0057)    

2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ? 
クリス・ウォーメル 作・絵 はたこうしろう訳 徳間書店 2022.05
爆笑!! 去年のやまねこ賞の投票で知り、副題に惹かれて読みました。

魔女だったかもしれないわたし    
エル・マクニコル作 櫛田理絵訳 PHP研究所 2022.08
めちゃよかった! 自閉的な女の子の正義の話。子どもの頃から自分が人と違うとわかっていることのつらさ……。いい意味でキャラが立っているし、見事な訳だと思う。

スピーク    
ローリー・ハルツ・アンダーソン 著 金原瑞人訳 主婦の友社 2004.06    
アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞で知った作家。一人称で、バースノベルに近い。もしも私が訳したら、もっと暗いトーンになっていたかもしれない。日本語の使い方を間違えると、粗野で下品になってしまいそうなところもあった。金原先生の訳は、変に暗くないし、女の子の一人称がごくごく自然で読みやすかった。

父さんの納屋
アヴィ作 谷口由美子訳 偕成社 1997.11
再読。とことんシンプルで深い。脳梗塞で倒れた父のために納屋を建てる必然性がよくわかった。サイドストーリーがほとんどないところが潔い。展開もうまい。開拓時代の子どもたちは成長が早い。

ブルーバック
ティム・ウィントン作 小竹由美子訳 さ・え・ら書房 2007.07
再読。静かな力強さ、すごい。映画を見るのが楽しみ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

しほ(WYN-1069)    

そこに私が行ってもいいですか?
イ・グミ作/神谷丹路訳/里山社/2022.3
植民地時代の朝鮮。親日派の裕福な家に生まれた少女と、農村出身の女中の少女が入れ替わり……。戦争に翻弄され、日本、そしてアメリカへ舞台を移しながら語られる壮絶な物語と、予想を裏切る結末。韓国でYAとして読まれているということに考えさせられる。

凍てつく海のむこうに
ルータ・セペティス作/野沢佳織訳/岩波書店/2017.10
四人の若者の視点から交互に語られ、少しずつそれぞれの事情が見えてくる構成に引き込まれた。四人のなかにドイツ兵のアルフレッドを入れるところがすごい。

灰色の地平線のかなたに
ルータ・セペティス作/野沢佳織訳/岩波書店/2012.1
果てしなく苛酷なシベリアの収容所生活。主人公の少女は危険を承知で、非道な扱いを絵に記録し外の世界に伝えようとする。知りさえすれば助けてくれるはず、という言葉はいまの私たちにも向けられているようで、重い。

嵐をしずめたネコの歌
アントニア・バーバー文・絵/おびかゆうこ訳/徳間書店/2019.3
コーンウォールの港町が舞台の物語絵本。絵本プレゼント交換で見かけてぜひ読みたいと思ったのと、『西の果ての白馬』つながりで手に取った。嵐をネコに見立てているのもおもしろいし、おじいさんとネコのコンビがかわいい。

百年の家
J.パトリック・ルイス作/ロベルト・インノチェンティ絵/長田弘訳/2010.3
石造りの家が百年間にわたって代々受け継がれていく様子を同じ構図で描いた絵本。似たテーマの絵本はたくさんあるけれど、とにかく絵の迫力がすごくていつまでも見ていられる。

I Must Betray You
Ruta Sepetys, 2022
ルータ・セペティスによるルーマニア革命が題材の歴史フィクション。監視社会の恐ろしさをこれでもかと突き付けてくる。2023年カーネギー賞作家賞シャドワーズ・チョイス賞受賞作。邦題は『モノクロの街の夜明けに』(2023年9月刊行)。

All My Rage
Sabaa Tahir, 2022
アメリカンドリームを抱いてやってきたパキスタン移民の家族。目を背けたくなるほど苦しくてつらい出来事がつぎつぎ起こるのだが、3人の語り手が交互に語る構成が巧みで引き込まれた。2022年全米図書賞児童書部門受賞作。

Like a Charm
Elle McNicoll, 2022
『魔女だったかもしれないわたし』のエル・ニコルによるファンタジー。エディンバラを闊歩する魔法生物たちにわくわく。続編 Like a Curseも読みたい。

Medusa
Jessie Burton, 2021
メドゥーサが10代の少女だったら。そして、彼女を殺しに来たペルセウスと恋に落ちたら……という、ギリシア神話の語り直し。大胆に改変した結末に拍手喝采。2023年カーネギー賞作家賞ショートリスト選出作。

The Blue Book of Nebo
Manon Steffan Ros, 2022
爆弾で文明が破壊された世界。ウェールズで暮らす母子の暮らしを描くディストピアSF。主人公の少年はもう何年も母親以外の大人を見ていない。なら、2歳の妹はどこから来たの……?と気づいたときの衝撃。2023年カーネギー賞作家賞受賞作。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

mipo(WYN-1070)    

I Must Betray You
Ruta Sepetys,
1989年のルーマニア革命を舞台にした物語。語り手の国の真実を知ってほしいという切なる思いが胸にしみた。革命の後に世界は変わったのかどうかを読んで感じてほしい。発売済み『モノクロの街の夜明けに』を是非。

ベルリン1919 赤い水兵 上下巻/岩波書店
クラウス コルドン著/酒寄 進一訳/2020.2
第一次大戦末期、キール軍港での水平の蜂起を機にドイツ革命が起きた。その渦中に生きた一家の物語。酒寄さんの訳に臨場感があった。『BOOKMARK』(CCCメディアハウス)で同シリーズが紹介されていて読んだ。

漂泊の王の伝説/偕成社
ラウラ・ガジェゴ ガルシア著/ 松下 直弘訳/2008
見目麗しく、優れた戦士で、教養人の王子は何もかも手にしていたが、詩心に欠けていた。ジンの力が備わった絨毯を通して詩心を手にするまでの物語。果てしない夜に星空がきらめく砂漠の風景にうっとりした。

シリアからきたバレリーナ/偕成社
キャサリン・ブルートン著/尾崎愛子訳/2022.1
シリア内戦でアレッポから難民としてイギリスにやってきたアーヤがバレエを通して、すてきな師と仲間と出会えてよかった。

さよならのドライブ/フレーベル館
ロディ・ドイル作 /こだま ともこ訳/2014

あおのじかん/岩波書店
イザベル・シムレール絵・詩 /石津 ちひろ 訳
この絵本は永遠に好きだと思う。あおの濃淡でここまで表現できるのと、詩の力がさすが。

女王さまのワードローブ: イギリス国民に愛された女王エリザベスII世の物語/BL出版
ジュリア・ゴールディング文 ケイト・ヒンドレー絵/前沢 明枝 訳/2022.2
新装改訂版にしなければならなかったのが切ない。女王大好き。

ロビンソン/偕成社
ピーター・シス作 /高橋克弘訳/2020
ピーター・シスの絵はどれも神業だけど、邦訳作品の中ではこれが一番好き。海と島の幻想的なタッチと裏腹に、当時を生き抜くため持たざるをえなかった執念からこの作風が生まれたことを思うと畏敬の念を覚える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Incisor(WYN-2016)    

世界の市場/河出書房新社
マリヤ・バーハレワ文 アンナ・デスニツカヤ絵/岡根谷実里訳/2022.5.30
活気ある市場でお買い物をしているような、人々の暮らしの営みのなかにいるような気分になる。気になるのはソパイピージャ(チリ)やパプリカーシュ・クルンプリ(ハンガリー)などおいしそうなものばかり。

ロンドン・アイの謎/東京創元社
シヴォーン・ダウド作/越前敏弥訳/2022.7.15
鋭い観察力と深い思考でいとこの行方を追うテッド。ほかの人とは違う反応をするテッドへの家族の深い愛と絆を感じた。謎がときあかされるにつれ、ロンドン・アイのある風景がくっきりと心にうかびあがってきた。

父さんのゾウ/文研出版
ピーター・カーナバス作/美馬しょうこ訳/2022.8.30
オリーブのけなげなとりくみに励まされるように読み進めたら、息をのんだ。自分の心のうちに視点が広がり、思いがけない気づきがあり、自分の心をも抱きしめることができた。

アップステージ/評論社
ダイアナ・ハーモン・アシャー作/武富博子訳/2022.8.30
逃げ腰だったシーラが、しだいに自分のもっている才能、希望に気づき、舞台が自分の世界、きっと何度も上がりたい場所と思いを深めていく過程がとてもよくて、何度も読み返したくなる。

ここがわたしのねるところ/福音館書店
レベッカ・ボンド文 サリー・メイバー作画/まつむらゆりこ訳/2022.2.5
刺繍で彩られた、世界の子どもたちのねるところ。どの国のねどこからも、安らかな寝息が聞こえてきそうな、あたたかいぬくもりが感じられて幸せいっぱいな気持ちになる。

I am Malala/Malala Yousafzai with Christina Lamb/Phoenix/2014 
銃撃事件が辛すぎて長く積読となっていた。自分はなんと無知だったのか恥ずかしくなりながらマララさんの揺るぎない信念、両親の大きな愛に励まされ、知ろうとし続ける勇気をもらう。インタビューの章もとてもよい。

By Ash, Oak and Thorn/Melissa Harrison/Chicken House/2021
昨年の投票のレビューにひかれて。3人のこびとの目をとおして、自然の美しさ、とうとさ、はかなさ、力強さを感じることができた。一緒に長い冒険の旅に出ているような感覚。空を飛ぶところがとてもワクワクした。

Set Me Free/Ann Clare LeZotte/Scholastic Pr/2021
続編の翻訳を願いながら、メアリーのその後が気になって。前作で過酷な経験をしたメアリーが向き合った現実の厳しさに息をのむ。メアリーだからこそ手をさしのべ、みちびくことができたのではとその強さに感じ入る。

The Year of Miss Agnes/Kirkpatrick Hill/Aladdin/2002
1948年、アラスカの田舎町に赴任したアグネス先生との一年を10歳の少女フレッドの視点でえがく。教育により変わる子らと大人たち。自らの足で歩むと思い至るフレッドと、先生を思いやる気持ちに感じ入る。

Mr. Potter's Pet/Dick King-Smith/Young Puffin/1995
ポッター氏が迎えた九官鳥は毒舌だが、ペットを越えた相棒となる。カゴに閉じ込められたような生活だったポッター氏が50歳にして自分の人生を歩み始めるのをみちびく九官鳥は魅力たっぷり。うちにもいたらいいな。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

キジトラ(WYN-1060)    

アーミテージ一家のお話シリーズ
1『おとなりさんは魔女』、2『ねむれなければ木にのぼれ』、3『ゾウになった赤ちゃん』
ジョーン・エイキン作 猪熊葉子訳 岩波書店 2010
不思議な魔法が身近にあるなか、自然体で生きている一家に好感。心地よい短編集だった。

かってなカラスおおてがら
ジョーン・エイキン作 猪熊葉子訳 クェンティン・ブレイク絵 岩波書店 1992
階段まで食べてしまう、困ったカラス、モーチマー。ナンセンスな作風を楽しみつつ、幼児アラベルの寛容さに感服。

Arabel and Mortimer Stories
by Joan Aiken, illustrated by Quentin Blake, Puffin, 2019
ジョーン・エイキンのおもしろさがくせになり、アラベルとモーチマーのお話6作が収録された本書を購入。クエンティン・ブレイクのイラストもいい。

魔女の愛した子
マイケル・グルーバー作 三辺律子訳 理論社 2007
人間の愚かさ、残酷さがあからさまに描かれるものの、愛の大きさ、生の尊さこそが心に残った。よく知られたおとぎ話の数々が、語り直しのかたちで編み込まれているのも魅力的。

ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス
ミヒャエル・エンデ,ヴィーラント・フロイント作 木本栄訳 junaida絵 小学館 2022.7
エンデが未完で遺した原稿を現代作家が見事に引き継いだ物語。おとぎ話の型が巧みに利用され、着地の鮮やかさにため息をついた。

カピバラがやってきた
アルフレド・ソデルギット作 あみのまきこ訳 岩崎書店 2022.8
抑えた色合いのイラストがクラシックでいい。共生や受容を描いたストーリーに心温まったと思いきや、ぴりっとした風刺にドキリ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    通常モードに戻る  ┃  INDEX  ┃  ≪前へ  │  次へ≫    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                 Page 132