Page 412 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】キキ・ストライクと謎の地下都市 蒼子(WYN-1031) 07/2/26(月) 15:56 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】キキ・ストライクと謎の地下都市 ■名前 : 蒼子(WYN-1031) ■日付 : 07/2/26(月) 15:56 -------------------------------------------------------------------------
『キキ・ストライクと謎の地下都市』 キルステン・ミラー作 三辺律子訳 理論社(2006.12) "KIKI STRIKE Inside the Shadow City" by Kirsten Miller 2006 【あらすじ】 12歳のアナンカは、ある日家の前にある小さな公園が陥没していくところを目撃した。よくみていると、できた穴から、小さな人のようなものがでてきて、アナンカが見ていることに気がつくと手をふったのだ! 好奇心にかられたアナンカは、すぐにその穴までいってみる。それがシャドウ・シティの存在に気がついたきっかけだった。 アナンカは、やがてキキ・ストライクという、ちょっと不思議な転校生に興味を持った。キキはアナンカにあるグループに入るよう声をかけてきた。キキが集めたのは、メカの天才ルツ、科学者薬品ならおまかせ、爆薬だってあっという間に作ってしまうディディ、偽造の達人でハッキングもお手のもののウーナ、変装の名人ベティ。6人はイレギュラーズを結成して、シャドウ・シティへ探検にでかけた。 【感想】 導入からどきどき、わくわくの冒険ミステリー。アナンカが、冒険に必要な知識を交えながら、シャドウ・シティの探検、ダイヤモンド盗難に誘拐と複雑で危険になっていく事件の顛末を語る。みなそれぞれの特技を生かしていくが、その特技も実は生き延びるためだったり、コンプレックスの裏返しで身につけたもの。最初はぎくしゃくしていたイレギュラーズだが、お互いの特技を認め合って、危機を乗り越えていく(キキと同じ音っておもしろい)。 途中裏切られたと思った人物に、ふたたび協力をもとめられ、思い悩むアナンカはこう言われる。 「わたしを信用するんじゃないわ、アナンカ。自分を信じるのよ」 自信は自らが経験を積み重ねたところにしか生まれない。話の筋は荒唐無稽だけれども、しっかりとした生きるための心意気が伝わってくる。 作者のこれはデビュー作だそう。張り巡らされた伏線がきっちりつながっていくところは、みごとです。これからの活躍が楽しみ。 ** 蒼子 WYN-1031 ** |