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 ▼【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  BUN 17/10/19(木) 22:52
   ┣Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  コアラン(WYN-1053) 17/10/21(土) 10:30
   ┃  ┗Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  BUN 17/10/26(木) 21:23
   ┃     ┗Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ベス 17/10/28(土) 12:54
   ┃        ┗Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  コアラン(WYN-1053) 17/10/28(土) 23:18
   ┗Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  hanemi 17/10/25(水) 21:36
      ┗Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  BUN 17/10/26(木) 21:05

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 ■題名 : 【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』
 ■名前 : BUN
 ■日付 : 17/10/19(木) 22:52
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   どんどんいきましょー。

『3つ数えて走りだせ』エリック・ペッサン作  平岡 敦訳 あすなろ書房 2017.3

ある朝、学校へ行くとちゅうにいきなり走り出した13歳のトニーとアントワーヌ。
遅刻がさぼりになり、そのまま家出になり……ただひたすら走る走る。
はじめは「この人たちなんで走ってんの?」と思うけれど、そのうち少しずつ、2人が逃げ出さなくてはいられなかった理由が明らかになってくる。

オフライン読書会の『100時間の夜』のとき、逃げることが風穴をあけることにつながる、という話が出たというか、わたしが出したのですが、そのとき思い浮かべていた作品のひとつがこれ。主人公ふたりは、はじめから意図して家出したのではなく、とっさに衝動で走りだしてしまったわけで、いかにも13歳らしいのだけど、最後にはうまい着地点を見つける。

走ることそのものの苦しさと爽快感もていねいに描かれている身体派?YAだけど、考えることも放棄せずにきっちりやっているのだ。

 ☆BUN(WYN-0003)☆

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ■名前 : コアラン(WYN-1053)  ■日付 : 17/10/21(土) 10:30  -------------------------------------------------------------------------
   BUNさん、みなさん

読みました!
本当に、身体派YAという感じですね。
いきなり走り出して、ひたすら走りつづけてしまうって、なぜそんなことを?と思いつつ、いかにも13歳男子のやりそうなことだという気もして、こういう話を思いついた作者に感心しました。

ト二ーもアントワーヌもそれぞれ逃げ出したくなる理由を抱えていますが、
ふたりのように、ふとした拍子に走り出したくなるような状況にある子どもって、けっこう多いのではないかと思います。

コアラン

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ■名前 : BUN  ■日付 : 17/10/26(木) 21:23  -------------------------------------------------------------------------
   あ、コアランさんも読まれたんですね(白々しいw すみません、本押しつけて)

>ト二ーもアントワーヌもそれぞれ逃げ出したくなる理由を抱えていますが、
>ふたりのように、ふとした拍子に走り出したくなるような状況にある子どもって、けっこう多いのではないかと思います。

そうなんですよね。子どもって、学校や家という枠から抜け出すのがほんとうに難しいから、そのなかで地獄を見ると、ほんとうに死ぬしかないって思い詰めちゃうことがあるんじゃないかと。いきなり逃げ出すっていうのは、それはそれでなかなか危うい選択肢ではあるんだけど、でもそういう手もあるよ!と言いたい。

……なーんてことをつらつら考えていたら、丸善の金原先生トークのときベスさんたちが披露した「海外児童文学通信」第2号(1985.4)の「逃げる」と題した小論で、なんと金原先生が、同じことを書いていらっしゃることにこのあいだ気づきました!(まだ500冊翻訳の大海にこぎ出すまえの金原瑞人さんですよ。)
ゴーメンガースト三部作やゲド戦記などのファンタジー作品を中心に論じているのですが、その最後の方にこんな部分がありました。

「これらの作品は全てその本質において、かつてのヒロイックファンタジーとは異なっていた。つまり伝統的な英雄物語の主人公にはとうてい考えられない行為、すなわち「逃げる」という行為が中心にすえられているのである。(中略)
 しかし、これらのアンチヒロイックなものこそ、三人の作家が現代という危機的な状況を痛々しいまでに認識しつつ、この危機を乗り越える方法と方向を模索した結果であった」

がーん。22年前ですよ? さすがだなああとひたすら感嘆してしまいました。

 ☆BUN(WYN-0003)☆

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ■名前 : ベス  ■日付 : 17/10/28(土) 12:54  -------------------------------------------------------------------------
   BUNさん、みなさん

>「これらの作品は全てその本質において、かつてのヒロイックファンタジーとは異なっていた。つまり伝統的な英雄物語の主人公にはとうてい考えられない行為、すなわち「逃げる」という行為が中心にすえられているのである。(中略)

ここ、実はトークイベントで読みあげようかと思っていたんですよ。このあいだの読書会で出た「逃げる」の話とぴったりリンクしていたので。

でも、うまくつなげられなかったのと、時間が足りなかったのとで、あきらめました〜。

「逃げる」が昔からあるテーマだというのがおもしろいですよね。金原先生の小論、とても勉強になりました!

ベス

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ■名前 : コアラン(WYN-1053)  ■日付 : 17/10/28(土) 23:18  -------------------------------------------------------------------------
   BUNさん、ベスさん

金原先生が小論で「逃げる」をテーマにされていたという話、教えてくださってありがとうございます。
そういう視点で児童文学を考えたこと、ありませんでした。
恥ずかしながら、ゴーメンガースト三部作もゲド戦記も読んだことがないので、ぜひ読んでみたいです。
この前の読書会に出られなかったのが悔やまれます……。

コアラン

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ■名前 : hanemi  ■日付 : 17/10/25(水) 21:36  -------------------------------------------------------------------------
   BUNさん、

この作品、わたしも読みました。

ほぼ同じ時期に、同じく男の子2人が逃げる話『14歳、ぼくらの疾走』を(今さらのように)読んだので、つい比べてみたくなりました。
長さといい、描き方といい、対照的でした。どっちがいいとか悪いとかではなく。
男の子の片方が旧ソ連出身というのは共通しているけれど、
たぶん、旧ソ連出身者が西欧各地にいるのだろうなあ……。


hanemi(WYN-0036)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『3つ数えて走りだせ』  ■名前 : BUN  ■日付 : 17/10/26(木) 21:05  -------------------------------------------------------------------------
   hanemiさん


>ほぼ同じ時期に、同じく男の子2人が逃げる話『14歳、ぼくらの疾走』を(今さらのように)読んだので、つい比べてみたくなりました。
>長さといい、描き方といい、対照的でした。どっちがいいとか悪いとかではなく。

わたしは『14歳〜』のほうは原作を読んだの自体はだいぶ前なので、ちょっとあやふやなのですが、いちおう先日映画を見たので、また、ああそうだったそうだった、となったところです。いい映画でしたー。

たしかに別の作品だからちがうに決まってるんだけど、対照的というよりは、「かなり似ている!」とわたしは思いました。まあ、『3つ数えて走り出せ』のほうは、罪になるほどの逸脱はしないで、ぎりぎり踏みとどまってるから、それにくらべるとマイクとチックのほうがはるかにはちゃめちゃなんですが……。

でも、ぷいっと走り出して、止まらなくなっちゃうところ、走り出したくなる理由がそれぞれあるところなんかはやっぱり似てるんじゃないのかなと。

 ☆BUN(WYN-0003)☆

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