Page 1654 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】『わたしがいどんだ戦い 1939年』 BUN 17/10/19(木) 10:12 ┗Re:【新刊読み物】『わたしがいどんだ戦い 1939年』 まなみ(WYN−1063) 17/10/19(木) 13:55 ┗Re:【新刊読み物】『わたしがいどんだ戦い 1939年』 BUN 17/10/19(木) 22:41 ┗Re:【新刊読み物】『わたしがいどんだ戦い 1939年』 Ohsaku 17/10/20(金) 17:53 ┗Re:【新刊読み物】『わたしがいどんだ戦い 1939年』 BUN 17/10/21(土) 10:15 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】『わたしがいどんだ戦い 1939年』 ■名前 : BUN ■日付 : 17/10/19(木) 10:12 -------------------------------------------------------------------------
きのう読みました。 『わたしがいどんだ戦い 1939年』キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作 大作道子訳 評論社 2017.8 内反足をもって生まれた11歳(というのもあとから判明するのだけど)の女の子エイダが主人公。足が悪いために母親にうとまれ、憎まれ、「見苦しい足の怪物め!」とひどいことばを毎日浴びせられながら、狭い自宅の一室におしこめられて暮らしてきた。外へ出してもらったことはなく、当然学校にも行っていない。 そんなエイダに転機がおとずれるのは、イギリスとドイツが戦争状態に入った1939年。ロンドンの子どもたちが疎開することになり、鬼母はエイダを人目にさらしたくないからと、小学校にあがったばかりの弟ジェイミーだけを行かせるつもりだったが、エイダは母親が寝ている早朝にジェイミーに助けてもらいながらアパートを脱出。疎開児童の群れにまぎれこむ……。 原題は The War That Saved My Life もちろん、アパートを飛び出したきっかけは実際に国家間で戦われている戦争だけど、エイダの戦いはそれだけじゃない。ずっと母親に虐待されてきたトラウマとの戦いのほうがはるかに骨がおれるのです。このあたりの描写がほんとうにリアルでつらいんだけど、ではつらいだけの本かというとそんなことはぜんぜんなくて、姉弟をひきとってくれたスーザンが、人との接し方が不器用だけどほんとうにいい人だったり、弟のジェイミーが愛らしかったりして、すごくほっとする。このふたりとのやりとりを中心に、あちらこちらにユーモアがひそんでいて、ときどきくすりと笑ってしまいます。 あと、スーザンの家で出会ったポニーの「バター」との交流もいいのよ。エイダは生来の強靱さと聡明さを発揮して、自己流で乗馬を学ぶのだけど、それだけでは馬の世話はできないから、バターを通じてまた人の輪が広がっていく。 後半、大きなドラマもあります。 母親があまりにもモンスターなので、もしかしたら好き嫌いがわかれるかもしれないけど、わたしはハート直撃でした。 ☆BUN(WYN-0003)☆ |
BUNさん、こんにちは。 私も先日読み終えたばかりです! エイダがトラウマに苦しむ描写は、どうしてそこまで……と、読んでいて辛かったのですが、思わぬ展開に涙でした。 私も大好きな作品です。 エイダとジェイミーの兄弟愛には、辛い状況を全て吹き飛ばしてしまうような力がありました。 BUNさんの内容紹介も本当に素晴らしくて、まとめ方の勉強になりました! まなみ(WYN−1063) |
まなみさんも読まれたんですね! ジェイミーとの姉弟愛、ほんとうにいいですよね。 ジェイミーがすごく愛らしくてすなおで、だからときどき母親から吹き込まれたままにぎょっとするようなことを言うのがまたリアル。 エイダが強靱さを持っていることは本の最初からすぐわかるのですが、それが強烈な虐待で押し込められ、ゆがめられて、トラウマと背中合わせになっているところが切なくもあり、そしてこれまたリアルでもありました。 それにしても今年、注目作がたくさんあってたいへん悩ましいです。(うれしいっていう意味ね。) ☆BUN(WYN-0003)☆ |
BUNさん、まなみさん、みなさん、こんにちは。 『わたしがいどんだ戦い 1939年』を読んでくださり、この読書室で紹介してくださって、ありがとうございます。ものすごくうれしいです。 BUNさんのまとめ、私もすごく勉強になりました。 おふたりも書いてくださったように、読んでいてつらい部分もあるのですが、ユーモアやほのぼのした場面もあって、愛がたっぷりの作品ですよね。この本を訳すことができてほんとうに幸せです。 評論社さんからお話があったとき、『おやすみなさいトムさん』(ミシェル・マゴリアン作/中村妙子訳/評論社)の少女版のような作品だと伺いました。『おやすみなさいトムさん』は、やはり疎開先でよい里親に出会った男の子の物語です。こちらも、よろしかったら、ぜひ! 読書月間、私もがんばって読まなければ! 大作道子 |
Ohsakuさん >評論社さんからお話があったとき、『おやすみなさいトムさん』(ミシェル・マゴリアン作/中村妙子訳/評論社)の少女版のような作品だと伺いました。『おやすみなさいトムさん』は、やはり疎開先でよい里親に出会った男の子の物語です。こちらも、よろしかったら、ぜひ! おお〜。「本が好き!」のぱせりさんも、『おやすみなさい、トムさん』にちょっと似ていると書いていらっしゃいました。まさに慧眼。(読んでない(-_-;;>わたし) ☆BUN(WYN-0003)☆ |