Page 165 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【未訳読み物】once はるはな 06/5/21(日) 15:32 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【未訳読み物】once ■名前 : はるはな ■日付 : 06/5/21(日) 15:32 -------------------------------------------------------------------------
"once" By Morris Gleitzman ISBN: 0143301950 Puffin(Penguin Group) 150ページ 「ぼくが山の中のこの孤児院に来てからもう3年8ヶ月。父さんも母さんも、もうぼくの顔を忘れたんじゃないかな」フェリックスはその日も、両親が迎えに来るのを待ったいた。しかし、やって来たのは腕に腕章をつけた男たち。彼らは図書室にあるユダヤの本を全部焼いてしまった。「これじゃ父さんの本屋も危ないかも。知らせてあげなくちゃ」フェリックスは、その夜孤児院を抜け出して、以前住んでいた町へと向かう。自分が一体どんな大きな危険の中に飛び込もうとしているのかも気づかずに。 ナチス占領下のポーランドで生き延びる子どもたちの様子が、フェリックスの声を通して語られます。途中の農家では銃声が鳴り響き、川が赤く染まっていたり、裸同然の人たちがトラックの荷台に乗せられているのを目撃しながらも、それがどんな意味を持つのか、はっきり認識できない子どもの心理を、作者は独特のユーモアを持って主人公に語らせます。想像を絶する悲惨な歴史の一ページが、若い読者にも非常にリアルに伝わり衝撃が心に残る、力強い作品だと思います。 2006年度のオーストラリア児童図書賞ヤングリーダーズ部門のショートリストに選ばれています。 http://www.cbc.org.au/short06.htm Morris Gleitzman のウェブサイト: http://www.morrisgleitzman.com/ はるはな(WYN-2105) |