Page 1437 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【カSL】"All the Truth That's in Me" モリー(WYN-1059) 14/6/30(月) 22:42 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【カSL】"All the Truth That's in Me" ■名前 : モリー(WYN-1059) ■日付 : 14/6/30(月) 22:42 -------------------------------------------------------------------------
"All the Truth That's in Me" by Julie Berry (Templar) カーネギー賞ショートリスト作品です。 2014年 MWA賞 YA小説部門の候補作にも挙がりました。 ジュディスは4年前、14歳の時に村から姿を消した。一緒に姿を消した少女は川で死 体となって発見されたが、ジュディスはそれから2年後に村に戻ってきた。舌を切り 取られて、しゃべることができなくなって……。 村人だけでなく家族でさえも、異形となったジュディスの存在を忌み嫌い、彼女はい ないものとして扱われるようになった。村に戻ってきてからさらに2年が過ぎ、18歳 になったジュディスは孤独な日々を送っていた。ところがある日、村が襲撃を受けた。 幼い時から思いを寄せてきたルーカスや家族を守るため、ジュディスは自分を監禁し 舌を切り取った人物に助けを求めるという苦渋の決断を下す。 主人公ジュディスの二人称の物語です。二人称という語り口が気になって、手に取り ました。主人公が心の中でずっと語りかけている相手は、幼い時から慕ってきたルー カスで、物語冒頭から最後まで、彼への恋心であふれています。壮大な恋文を読んだ ような気分になりました。 ですが本作は、初恋を描いた爽やかな作品ではありません。犠牲者のはずなのに白い 目で見られるという、閉鎖的で偏見に満ちた村での息づまる暮らしが生々しく描写さ れていきます。現在の不遇の暮らしの合間に、昔を思い出すという形で過去が語られ、 やがて猟奇的事件の思いも寄らない真相が明らかに……という、恋心+ミステリーな 作品です。本作には辛い場面がこれでもかというほど出てくるのですが、放り出さず に読み進められたのは主人公の一途な姿のおかげかな、と思います。 モリー(WYN-1059) <Mozilla/5.0 (Windows NT 6.0; rv:30.0) Gecko/20100101 Firefox/30.0@p2208-ipbf2710hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp> |